修禅寺はもと若い雲水の集まる修行寺で拙僧が昭和の初期上山した頃三十人ほどの僧によって厳しい行がなされていました。
　起きるから寝るまでの総てが修行ですから食事に関するものも重要なその中の一つでした。

　ところで、禅門では勝手場を典座寮、料理長に相当する役僧を典座和尚と呼びますが、うどんそばはもちろん味噌醤油、豆腐に至るまで自家製で、大黒屋さんの豆腐もその老典座から伝授されたと聞いています。 　

福地山　修禅寺　八十八翁　徳潤　記